道路交通法の改正(2015/6/1施行)後、
自転車の取り締まりも
厳しく行われるようになりました。
滋賀県警交通指導課の報告によれば、
施行後の1ヶ月間で
「無灯火」の違反が最も多かったとあります。
(指導警告票を交付した1137件のうち295件)
(産経Westより)
自分の自転車には、
「ライトを付けているから大丈夫」
と思っていましたが、
点滅でも大丈夫なのか?
また明るさのルールも気になったので
フロントライトのルールについて調べてみました。
また、どんなライトが良いのか、
具体的なフロントライトの製品についても紹介していますので参考になれば幸いです。
テールライト(リアライト)についてはこちらの記事をみてくださいね↓
→自転車のテールライトは点滅でいい?
スポンサーリンク
フロントライトのルール
自転車は「軽車両」なので、
軽車両のフロントライトのルールを調べてみると、
次のように定められています。
(長いので短くまとめました)
夜間、道路を通行するときは、
灯火をつけなければならない。
条文の内容を詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。
道路交通法第52条第1項前段
道路交通法施行令第18条第1項第5号
ここで、「灯火」は、都道府県毎に定められています。
東京都では、
次の2つの条件を満たす「前照灯」です。
白色又は淡黄色
であること。夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度
を有すること。
(東京都道路交通規則第9条第1項第1号)
私が住んでいる神奈川県では、
「10メートル」ではなく「5メートル」です。
(神奈川県道路交通法施行細則7条)
いずれにしても、
フロントライト(前照灯)のルールをまとめると、以下の事項が定められています。
- 「灯火」をつけなければならないこと
- 灯火の色
- 灯火の明るさ(光度)
次に、「点滅」でよいのか?
続いて、「明るさ(光度)」について順に説明します。
「色」については簡単なので説明は省略します。
簡単なルールなのですが、
ハンドルに赤や青(ブルー)のライトをつけている自転車を見かけます。
「赤」や「青」では、「灯火」とみなされないので、ルール違反(無灯火)になります。
なお、他の地域にお住まいの方は、
「灯火」について、念のため確認してみてくださいね。
各都道府県のホームページの
サイト内検索により、
「法規(集)」や「例規(集)」で見つけることができます。
法規(集)や例規(集)の中の
「警察」編の
「交通」章または「道路交通」章に記載があります。
フロントライトの「点滅はダメ?」
上記のフロントライトのルールでは、
「灯火」と、その「色」及び「明るさ」が定められていましたが、
「点滅」については明記されていません。
白色の明るいライトのスイッチをONにしていれば、
「点滅」でもいいじゃないか、と思う方もいるかもしれません。
ですが、
先ほどの都道府県毎に定められている「灯火」のルールに加えて、
自転車で走る場所(周囲の明るさ)も判断のポイントになります。
私は通勤時に駅まで自転車を使っていますが、
帰りの夜道でライトを「点滅」させた自転車をよく見かけます。
私自身も、駅前の商店街の明るい道では点滅させています。
点滅の方が、電池が長持ちするし、
またドライバーや歩行者へのアピールに効果的といわれています。
ですが、点滅では、
街灯の無い暗い夜道において
前方10メートル(東京都の場合)の障害物の確認は難しいです。
なので、
障害物を確認できない場合、点滅はルール違反になります。
というより、
暗い場所では、点滅だと前がよく見えないので危ないですよね。
「点滅がルール違反かどうか」(「点滅」は「灯火」に含まれるかどうか)よりも
「障害物を確認できるかどうか」が安全のためには重要です。
警視庁のホームページでは、
「点滅式だけでは危険です。必ず点灯式ライトをつけましょう。
」
といっています(広報けいしちょう第39号web版)。
また、自転車安全利用5則にも、
「夜間はライトを点灯」と記載されています。
ルールを守るのはもちろんですが、
安全のために、ライトを点灯しましょう!
なお、ライトを2つ装着して、
一方を「点灯」し、他方を「点滅」してもよいですよ。
次に、明るさ(光度)について説明します。
スポンサーリンク
ルールに違反しない明るさは?カンデラとルーメン
ライトを「点灯」しても、
ルールに定められた明るさ(光度)が必要です。
ですが、
「前方10メートルの
交通上の障害物を確認することができる光度
」
といわれても分かりにくいですよね。
調べてみると、
JIS C9502(自転車用灯火装置)に、
光度値として「400cd以上」の記載があります
「cd」は明るさの単位で「カンデラ」といいます。
400cd(カンデラ)を目安にできそうです。
実際、自転車用品メーカーの
キャットアイのホームページを見ると、
400カンデラ以上のライトを「前照灯」として表示しています。
一方、明るさの他の単位として、
最近は「ルーメン」(lm)がよく使われています。
ルーメンでは、どのくらいの数値が必要でしょうか?
キャットアイの製品で
400カンデラのライト(前照灯)をみると、
「HL-EL140」は「15 lm/400 cd」、
「UNO」(HL-EL010)は「10 lm/400 cd」
と表示されていました。
(キャットアイのホームページの「選んでみよう! CATEYEライト!!」より)
10~15ルーメンのものでも
ルール上は問題のない製品があるようです。
ですが、
実際に前方の障害物を確認するための明るさとしては、この程度のルーメンの数値では不十分です。
安全のための明るさは?ルーメンならどのくらい?
街灯の無い暗い夜道では、
200ルーメン以上、できれば、
300ルーメンの明るさは欲しいです。
スピードが出るロードバイクなら300ルーメン以上さらに400ルーメン以上がよいです。
駅前などの街灯の多い道であれば
100ルーメンでも十分です。
私は、神奈川県に住んでいますが、
鶴見川や境川、多摩川のサイクリングロードをよく走ります。
夕方のサイクリングロードをのんびり走るのは、とても癒やされます。つい、日が落ちるまで走ってしまい、帰りは真っ暗な道を走ることもあります。ですが、300~400ルーメンあれば安心です。
具体的にはどんな製品がよい?
キャットアイからは、
充電式のフロントライトとして
100ルーメンの「ボルト100XC」、
200ルーメンの「ボルト200」、
300ルーメンの「アンプ300」(AMPP300)
400ルーメンの「ボルト400」、「ボルト400XC」
500ルーメンの「アンプ500」(AMPP500)などが発売されています。
(もっと明るい製品もあります)
街灯のある道しか走らないなら、
100ルーメンの「ボルト100XC」又は
200ルーメンの「ボルト200」でよく、
街灯の無い暗い道も走るなら、
300ルーメン以上の製品(アンプ300、ボルト400、アンプ500等)が適しています。
私は、通勤のクロスバイクには、
200ルーメンの「ボルト200」を使っています↓
(アンプ300より軽くて小型です)
(明るめが良いならアンプ300がおすすめです)
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイのボルト200
楽天へのリンクです↓
→自転車 ライト キャットアイ CATEYE HL-EL151 VOLT200 ヘッドライト 充電式 前照灯 フロントライト
一方、
スピードが出るロードバイクで
夜間を走る場合は、
300ルーメン以上さらに400ルーメン以上がよいです。
なので、キャットアイからは、
300ルーメンの「アンプ300」
(ボルト300は生産終了になっています)
400ルーメンの「ボルト400」が3タイプ、
500ルーメンの「アンプ500」が発売されています。
(もっと明るい製品もあります)
先に発売されたバッテリー交換式のタイプはこんな製品です↓
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイのボルト400
楽天へのリンクです↓
→キャットアイ VOLT400 (ボルト400) HL-EL461RC フロントライト USB充電式 400ルーメン CATEYE 土日祝も営業 送料無料
動作時間は400lmで3時間、
重量は120gです。
一方、後から発売されたタイプは、
バッテリー交換はできず、
動作時間は400lmで1.5時間と短いですが、
その代わり95gに軽量化され、
ゴムバンド式になっています↓
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイのボルト400XC
楽天へのリンクです↓
→[CATEYE]VOLT 400XC「HL-EL070RC]重さ95gのコンパクト軽量モデルで約400ルーメンの明るさを実現ラバーバンドで簡単に着脱OK!レターパック520全国一律送料520円
アンプ500もバッテリー交換ができず、照射時間も短いですが、バッテリー交換式のボルト400より安いです↓
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイ(CAT EYE) ヘッドライト AMPP500 アンプ 500ルーメン
楽天へのリンクです↓
→キャットアイ HL-EL085RC AMPP500 USB 充電式ヘッドライト 自転車 ライト フロントライト CATEYE
ちなみに、私は、
ロードバイクで夜間走るときは、
もっと明るい他社製の700ルーメンのライトを使っています。
(後でその理由を説明します)
キャットアイからは
私が700ルーメンのライトを買った後に
さらに明るい800ルーメンのライト「ボルト800」が発売されました↓
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイのボルト800
楽天へのリンクです↓
→キャットアイ VOLT800 (ボルト800) HL-EL471RC CATEYE 土日祝も営業 送料無料
照射範囲に注意!
キャットアイには、その他に、
「ECONOM FORCE」(HL-EL540RC)というライトがあります↓
(残念ながら生産終了となっています)
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイのエコノムフォースHL-EL540RC
私も持っていますが、
明るく(170 lm/4000 cd)、
使用時間が長く(ハイで5時間)、
乾電池も使えます(ハイで2時間)。
大きくて重いのですが、
使用できる時間が長く、
乾電池も使えるので、
ブルベ(200~1400kmのロングライドイベント)に適しています。
ですが、照射範囲が狭いのが残念です。
この「ECONOM FORCE」と「ボルト300」を比較すると、
カンデラではあまり違いはありません(4500cdと4000cd)。
(なお、ボルト300も生産終了になっています)
ですが、
ルーメンでは2倍近い違いがあります。
ボルト300が300lmなのに対して、
ECONOM FORCEが170lmです。
照射角も影響しますが、
実際に見て感じる明るさは「ルーメン」の方がよく表しています。
「ルールのための明るさ」も必要ですが、
「安全のための明るさ」が大切です。
ライトを選ぶときは、
明るさの単位、そして
照射範囲にも注意してくださいね。
ご参考までに、
キャットアイのホームページでは
各製品ごとに、照射範囲と明るさがわかる写真が示されています。
他社製のライトを検討する場合であっても参考になると思います。
キャットアイの異なる製品の写真を並べて表示でき、比較検討するのに便利ですよ。
こんな写真です↓
(アンプ500の楽天のリンク画像です。)
キャットアイのホームページヘのリンクも貼っておきます↓
→アンプ500(AMPP500)_約500ルーメンのバッテリー一体充電式ライト
700又は800ルーメン以上のライトの必要性は?
ロードバイクなら 「300ルーメン以上さらに400ルーメン以上がよい」と書きましたが、
私は、ロードバイクで夜間走るときは、
もっと明るい700ルーメンのライトを使っています。
ボントレガーの「Ion 700R」という製品です。
このIon 700Rは、照射範囲が広くて配光が良いライトです。
また、固定方法がゴムバンド式なので、
ライトの向きを走行中に変えることができるので便利です。
(走行中の振動で向きが変わることはありません)
なお、現在、「Ion 700R」は生産終了となっています。代わりに、
700ルーメンの「Bontrager Ion Comp R Front Bike Light」、
1000ルーメンの「Bontrager Ion Elite R Front Bike Light」、
1300ルーメンの「Bontrager Ion Pro RT Front Bike Light」が発売されています。
詳しくはこちらをご参照ください↓
→トレックホームページのフロントライト
キャットアイからも
800ルーメンのライト「ボルト800」や
もっと明るいライトが発売されています↓
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイのボルト800
楽天へのリンクです↓
→キャットアイ VOLT800 (ボルト800) HL-EL471RC CATEYE 土日祝も営業 送料無料
このように700ルーメン以上の
非常に明るいライトが発売されていますが、
私はIon 700Rを使うときは、
700ルーメンのモードよりも
450ルーメンのモードをよく使います。
700ルーメンはとても明るいかわりに
使用時間が約2時間と短く、
一方、
450ルーメンのモードでは
使用時間が3時間と長くなり、
明るさも十分だからです。
すこし明るい場所では、
200ルーメンのモードにして
バッテリーを節約します。
200ルーメンでは6時間以上もちます。
このように明るさとしては、
夜間の競技やレースで高速走行をしない限り、
700又は800ルーメンも必要はありません。
ですが、明るいライトは、
LEDと電池の性能が良いため、
200~450ルーメンの実用域で長い時間
余裕をもって使える点でおすすめです。
(値段はとても高いですが)
明るいライトでは対向車や歩行者に配慮を
明るいライトを使用すると良いことばかりのようですが、問題もあります。
対向車や対面する歩行者にとってまぶしいことです。
自動車やオートバイに乗られる方は分かりますよね。
対向車がライトを
ハイビーム(上向き)にしていると、
まぶしくて前が見えなくなり、とても危険です。
自転車でも、
明るいライトをつけると、
同じようなことが起こります。
なので、
対向車や対面する歩行者がいるときは、
一時的に光度の低いモードに切り換えるか、ライトを少し下向きにしましょう。
ゴムバンド式でハンドルに固定しているライトであれば、スイッチで切り換えなくても、ライト自体を手でチョット下に傾け、対向車や歩行者が通りすぎたら、もとの向きに戻すことで対処できます。
すでに明るいライトを持っている方、これから購入される方は、ライトの構造に応じて操作しやすい方法で試してみてくださいね。
なお、キャットアイから、対向車や人へのまぶしさを配慮した上側の配光をカットしたライトが発売されています。
アマゾンへのリンクです↓
→キャットアイGVOLT70
楽天へのリンクです↓
→キャットアイ HL-EL551RC GVOLT70 USB 充電式 LED ヘッドライト フロントライト ハンドルバー下側取付専用モデル 自転車 ライト
ちなみに、私もロードバイクの夜間走行(ナイトライド)用に使っています。
上側の配向がカットされているので当然なのですが、遠くが見えにくいので、
ロービーム(下向き)専用として使用し、他の明るいライトをハイビーム用として併用しています。
昼間は点灯しなくてもいい?
ルールでは、
「灯火をつけなければならない」のは、
「夜間」でしたね。
なので、
昼間はライトを点灯しなくてもいいです。
(ただしトンネル内は点灯が必要です)
ですが、
同じ二輪車である原付やオートバイは
昼間でもライトの点灯が義務づけられています。
ルールにはなくても、
自転車も、昼間にライトを点灯しなくてもよいのでしょうか?
愛媛県警では、自転車の「昼間ライト点灯運動」を実施しています(2015年8月の記事投稿当時)。
ドライバーに自転車の存在をアピールして、事故を防止することを目的としています。
私も、渋滞の車道を走るときや、
雨の日の薄暗いときは、
ライトを点滅や点灯することがあります。
昔の電池式のライトは
暗く、使用できる時間も短く、
またリムダイナモ式のライトは
ペダルをこぐのが重くなったので、
昼間の点灯は現実的ではありませんでした。
ですが、今は、
LEDや電池の性能が良くなり、
価格も手頃になりました。
また、ペダルが重くなりにくいハブダイナモ式も普及しています。
「自転車は車道が原則」と
ルールも変更されたので、
昼間の点灯や点滅を検討しても良い時期になったと思います。
スポンサーリンク
おわりに
フロントライトには次の2つの役割があります。
- 夜道での障害物や歩行者を確認するための役割
(見るための役割) - ドライバーや歩行者にアピールする役割
(見られるための役割)
単にルールを守るだけでなく、
「安全」のために、そして、
場所や状況、使用目的に応じて、
「適切なライト」を選び、
「正しく」使いましょう!
テールライト(リアライト)のルールについてはコチラです↓
→自転車のテールライトは点滅でいい?
自転車の交差点でのルールを確認しておきましょう↓
→自転車は車道?!交差点でのルールと注意点
スポンサーリンク