2016-2017年モデルのトレックの軽量ロードバイク「エモンダ」には、
カーボンモデルだけでなく、アルミモデルの「エモンダALR」があります。
ネットや雑誌では、
カーボン並みに軽くて乗り心地も良い
といった紹介がされています。
実際のところはどうでしょうか?
カーボンモデルとの違いも気になります。
なので、
実際にトレックショップで
アルミモデルの「エモンダALR5」と
カーボンモデルの「エモンダSL6」を試乗してみたのでインプレします。
(インプレといっても、趣味で週末にロードバイクに乗っている中年サイクリストの感想です)
トレックのアルミモデルとカーボンモデルのどちらにしようか迷っている方のお役に立てれば幸いです。
なお、この記事は、
2016年モデルのインプレですが、
2017年モデルに大きなスペック変更がなかったので参考にして頂ければ幸いです。
ちなみに、主な変更点は、
価格、カラーリング、タイヤのサイズ(23Cから25C)、サドル等のパーツで、コンポの変更はありません。
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価格とスペック/何でこんなに値段が違うの?
まず、インプレの前に、
今回試乗した2台の価格とスペックを比較します。
完成車の価格(税込み)は、
ALR5(アルミ)が19万9千円、
SL6(カーボン)が38万円です。
(2017年モデルはALR5が18万9千円、SL6が33万9千円です)
値段の違いは約18万円です。
(2017年モデルでは15万円の違いです)
こんなに高いカーボンロードバイクSL6と比較しても意味がないのでは?
と思わないでくださいね。
カーボンモデルの30万円は中級グレードの入り口の価格です。
「エモンダSL6」は、ミドルグレードのカーボン(OCLV 500)を使用した中級モデルです。
ちなみに、
この上のグレード(SLRシリーズ)はプロレベルの競技用モデルで、さらに軽く、そして高価になります(2017年モデルは75万円以上)。
一方、下のグレード(Sシリーズ)は入門用またはツーリング用のモデルで、やや重く、安価になります(2017年モデルは19万5千円から)。
ロードバイクの完成車の価格の違いは、
主にフレーム(素材や加工のレベル)が異なるためですが、
コンポやホイール、その他のパーツ(ハンドル、シートポスト等)も違います。
試乗した2台もフレームだけでなく、コンポやホイール等のパーツも異なっています。
試乗車のコンポは、
ALR5(アルミ)が「105」、
SL6(カーボン)が「アルテグラ」です。
アルテグラは105より1つ上のグレードで、
軽量で操作性に優れ、耐久性が高く、その分、値段も高くなります。
ちなみに、カーボンモデルのSLシリーズには、
105仕様の「SL5」(2017年モデル:29万9千円)も用意されていて、
アルテグラ仕様のSL6との価格差(4万円)がほぼコンポの違いに相当します。
フレームによる違いを検討するのであれば、
ホイール、コンポ、その他のパーツが同じモデルと比較するのが良いのですが、
今回用意されている試乗車SL6との比較になります。
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重量/カーボン並みに軽いのは本当?
ネット上のサイトから数値をひろってみると、
2016年モデルの完成車の重量は、
ALR5(アルミ)が8.2kg、
SL6(カーボン)が7.4kgです。
(サイズ54cm:適応身長168~176cm、ペダル無し)
2017年モデルは、トレックのホームページをみると、
大きめのサイズ56cm(適応慎重174~182cm)で
アルミモデルALR5が約8.4kg、
カーボンモデルSL6が約7.4kgです。
重量の違いは、
2016年モデルが0.8kg、
2017年モデルが1kgです。
この重量差の理由はフレームの素材の他、ホイールやコンポ等のパーツにあります。
また、フレームセットも販売されているので重量を比較すると、
アルミモデルALRは約1.5kg
(フレーム:1150g フォーク:345g、サイズ54cm)、
カーボンモデルSLは約1.3kg
(フレーム:950g フォーク:358g、サイズ56cm)です。
2017年モデルでは、トレックのホームページをみると、
大きめのサイズ56cm(適応慎重174~182cm)で
アルミモデルALRが約1.8kg、
カーボンモデルSLが約1.6kgです。
フレームセットの重量の違いは200g程度です。
アルミモデルALRはカーボン並みの軽さというのは本当のようです。
なお、フレームセットの価格(税込み)は、
アルミモデルALRが12万9千円、カーボンモデルSLが19万9千円で、
価格差は7万円です(2017年モデルも同じ価格です)。
エモンダのアルミモデルALR5は、
軽量ホイールや軽量パーツに交換することで、
ミドルグレードのカーボンバイクと遜色のない軽量バイクに仕上げることができます。
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インプレッション(試乗の感想)
前置きが長くなりましたが、試乗のインプレをします。
ビンディングペダル(SPD)をつけて街中を数キロ程度走った感想です。
エモンダALR5(アルミモデル)のインプレ
まず、アルミモデルのエモンダALR5から試乗しました。
用意された試乗車のカラーはブルーでした(ダウンチューブに黒でトレックのロゴが入っています)。
2016年モデルは、その他に赤(白抜きのロゴ)と黒(蛍光グリーンのロゴ)のモデルがありますが、全体的にシンプルなカラーリングです。
(2017年モデルは、ブルーがなくなり、グリーンが加わり、黒のフレームはロゴの色が赤に変更されています)
フレームチューブの継ぎ目の溶接部はなめらかに処理され、塗装もきれいです。
ケーブルは内蔵ではなく外出しです。
試乗してみた感想としては、
ネットや雑誌のインプレの通り、
クセのない標準的(スタンダード)な乗り味です。
アルミ素材による硬さや振動も気になりませんでした。
ただ、フレームセットだけでなく、
ホイールによっても乗り心地が良くなっているようなので、購入後にホイールを交換するときは注意してください。
一般に競技用の軽量ホイ-ルに交換すると剛性が高いため、路面によっては振動が大きくなります。乗り心地を重視する場合はフレームとの相性も考慮してください。
また、完成車のホイールは前後セットで2kg近くあるので重いです。
1500gくらいならそこそこ軽く、1400gを切ると軽量ホイールといえるので、2kg(ショップの実測値1970g)はとても重いです。
なので、ハンドルの振りは軽いのですが、せっかくのフレームセットの軽さが、こぎ出しや坂道で生かされていません。
購入後、乗り慣れて50~100kmぐらいを走れるようになった頃にホイールの交換を検討するとよいです。
特にヒルクライムや、峠を含むロングライドをする場合は、1400gを切る軽量ホイールにすれば、フレームも軽いので、坂道が楽しくなるくらいの軽量バイクになるはずです。
エモンダSL6(カーボンモデル)のインプレ
カーボン並みに軽くて乗り心地もいいならアルミモデルで十分じゃない?
と思いながら、次にカーボンモデル「エモンダSL6」を試乗しました。
用意されていた試乗車のカラーはフラットブラック(つや消しの黒)でした。
シンプルなカラーリングですが、ネットの画像で見るより、実物はとても高級感があります。
その他に、ツールドフランスのマイヨジョーヌカラーの黄色のモデルもあります。
(2017年モデルのSL6には黄色はなくなりました。下位グレードのS5にはあります)
アルミモデルのALR5のフレームもきれいな仕上がりですが、
コンポやホイールも含めて10万円以上の差があるので、全体的に質感の違いがあります。
こんな高価なロードバイクを買って傷でもつけたらショックだろうな~
と思いながら試乗のスタートです。
慎重にゆっくりとこぎ出し、アルテグラの変速レバー(ブレーキレバーと共通です)をカチカチっと操作すると気持ちよくギアチェンジしていきます。
平坦な道ではアルミモデルに対してそれほど差は感じないのですが(裏返せばアルミモデルALR5がカーボン並みに優れているといえますが)、
チョットした傾斜面(勾配4~5%程度)になるとカーボンモデルの良さを感じます。
アルミモデルに乗って坂道になると、どうしても「自転車をこいでいる」感が強くなりますが、カーボンモデルのエモンダSL6ではスムーズに登れる感じがします。
標準のホイールは前後セットで1700gくらいのそれほど軽いものではないですが、
思いっきり踏み込んでダンシング(立ちこぎ)すると弾むように進みます。
(試乗車にはドリンクボトルもサドルバックも付いていないのでその分は割り引く必要はありますが)。
一方、アルミモデルALR5はホイールが2kgと重く、
ネット上の他のインプレにあるように「金属的な硬さ」もあるせいか、
カーボンモデルの方が軽快感がありました。
2kgの重いホイールを軽量なものに交換すればその差は小さくなるでしょうが、
フレームの素材による乗り味は異なります。
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エモンダの動画
エモンダのアルミモデルの動画
アルミモデルALR5についてはこちらの動画をどうぞ↓
エモンダのカーボンモデルの動画
カーボンモデルSL6については以下の動画を見てくださいね↓
おわりに
アルミモデルのエモンダALR5は、フレームの素材の違いにより、
カーボンモデルとは乗り味が異なります。
ですが、今回の試乗で、アルミ素材による硬さや振動は気にならないことが分かりました。
また、ホイールやパーツの交換により、ミドルグレードのカーボンモデル並みに軽量化が可能であることも確認できました。
初めてのロードバイクなら、アルミモデルのエモンダALR5で十分といえます。
カーボンモデルも気になると思いますが、
予算を大幅にオーバーするなら、
カーボンモデルは2台目の楽しみにとっておくとよいです。
そのときは、完成車を買わなくてもフレームセットを買って、
オーバーホールを兼ねてコンポとパーツを載せ換えることもできます。
試乗の機会があれば遠慮しないでどんどん乗ってみるのがよいです。
大きな買い物なので、
実際に乗って確認することの方が他人のインプレより大切です。
ですが、
試乗はショップの販売促進の1つですので、
予算オーバーの高価なバイクが欲しくならないように注意してくださいね。
(といいながら、私も今回の試乗でカーボンモデルのエモンダが欲しくなってしまいました)。
この記事が、ロードバイク選びのお役に立てれば幸いです。
アルミフレームとカーボンフレームで迷ったらこちらの記事も読んでみてください↓
→【アルミとカーボン】ロードバイクの最初の一台はどっちがいい?トレックのエモンダ(2018年モデル)で考えてみた
初めてロードバイクの購入を検討されている方は、こちらの記事もどうぞ↓
→ロードバイクの選び方!初心者が迷わない購入までの3つのポイント
アルミモデルのロードバイクについては、この記事も参考にしてみてください↓
→(2016-2017年モデル)初めてのロードバイク選びをエモンダALR5を基準に考えてみた
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